完璧な大都会などといったものは存在しない。完璧な岡山が存在しないようにね。
山口県から実家に帰っても岡山弁が喋れなくなった。
帰省や仕事で戻っても昔みたいに岡山弁を耳にすることがなくなったように、岡山は何かをどこかに隠している。
そういうことを考えることが増えた。
倉敷駅あたりを夜歩いても偽造テレカがどこにも売っていない、売っていそうな人もめっきり見かけなくなった。
これも大都会になったせいなのだろうか。
20年前、大学進学で岡山をあとにしたとき、僕は岡山が大都会になるなんて思ってもいなかった。
いや、今でも僕は岡山のことを大都会だと思っていないのかもしれない。
最近同居を始めた女性が頬杖で顔にわずかばかりの角度をつけて僕に話しかける。
「何考えてるの?」
岡山が大都会になった。そう信じればいい。
悪くない、と僕は思った。
「どんなことを話そうかと思ってさ」
自分の通った学校のことを話してみようと思っていたのに、夕食のクリームパスタが思いのほか美味しかったせいで満足してしまっていたようだ。僕は彼女の不機嫌を察し喋りはじめる。
和気町立本荘小学校
http://honjo-es.wake.schoolweb.jp/
サイトはJoomlaで作られている。
和気町立和気中学校
http://wake-jhs.wake.schoolweb.jp/
サイトはJoomlaで作られている。
エバンジェリストでもいるのだろうか。
もしそんなビジネスエリートがいるのなら大都会の札をあげよう。大都会とはいえないとは口が裂けても言ってはいけない。
岡山県立岡山東商業高等学校
http://www.higasho.okayama-c.ed.jp/
サイトはDreamweaverのテンプレートで作られている。お知らせのブログはWordPressだ。
このあたり大都会にふさわしくない。改善が必要だ。Scrapboxなんかでガンガンにインターネットを感じさせておくれよ。大都会に中途半端なレガシーは必要ないんだ。
ここまで話したところで彼女の方に目をやった。あまり気に召さなかったらしい。不機嫌そうな顔に変化がない。
僕は取り繕うように残りの白ワインを流し込んだ。
あと数ヶ月で彼女の誕生日だ。料理が好きな彼女はもちろん器にもうるさい。
きれいな器を選ぶくせにインスタ映えなどというものは気にしていないらしい。
「今度ここの器見に行ってみようよ」
インターネットで見つけていた「備前焼のお店DAIKURA」の話をしてみると彼女にやっと笑顔が戻ってくる。
この笑顔を見ないと一日が終わらない。
「さっきの話だけどさ、私、岡山弁って聞いたことないんだ。ちょっと喋ってみてよ。」
やれやれ、と思いつつ僕は彼女に笑顔で返す。
「でーこんてーてーて」
以来、彼女の笑顔を見たことがない。
当然だ。そもそもそんな女性は存在しないのだから。
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